株価が上がったら利食いする、株価が下がったら損切りする、という運用方法があります。
行動経済学的に優れているようにも見えますが、日本円基準に固定されてしまいがちで、長期的な運用のゴールがありません。
株は売らずに買いつづける、というシンプルな姿勢が、わたしたちサラリーマン庶民には向いています。
株式 と 円 との交換

株にかぎらずなんでも、売買すれば現金が動きます。

商品 と 日本円 とが交換されるイメージです。
日本円中心の表現

- “株を買う” は、円を手放して株を手に入れる
- “株を売る” は、株を手放して円を手に入れる

株を買う、株を売る、というのは、日本円を基準にした表現と言えます。

このように、わたしたちは円を使って暮らしているので、なんでも日本円中心の天動説で考えてしまいがちです。
相対的表現

ここで、交換行為をしっかり意識して、そのままを表現すれば、
- “株を売る” は、“株で円を買う”

と言えることに気づきます。

おなじように、
- “株価が上がる” は、“円が下がる”
- “株価が下がる” は、“円が上がる”
とも表され、

株 と 日本円 どちらも、価格がつねに変動する流動資産なら、

本来、相対的な地動説で考えていくのが理にかなうはずです。
株式、円、それぞれの価値

そのうえでどっちに交換するかは、これからの価格変化次第、それぞれの価値判断が重要になります。

なんの資産でも手元に置いておくならば、価値が高く、今後価格上昇が見込まれるモノを選択したいからです。
株式の価値

株式は、企業オーナー権利の一部です。

一般的に、企業は モノ や サービス を提供してお客さんによろこんでもらっているので、

株式は、生産性のある社会貢献を間接的に行える権利とも言えます。

多くのひとをよろこばせつづける権利の価値は高く、時間経過とともに価格も当然上がっていくはずです。
円の価値

一方、円は日銀が発行する貨幣であり、交換するためのただの道具です。

日本円はなにかと交換しないかぎりだれもよろこばせられず、価値は見たままの数字で、いつまでも価格に変化はありません。
相対的価値

それぞれの価値を比較すると、長期保有において、
- 株式の価格は上がり
- 円の価格は変わらない

ので、相対的な円の価値は低下します。

通常のマイルドなインフレ下では、さらに差が開いていき、

資産形成の視点では、よく、
- 株式をもつのは上りのエスカレーター
- 円でもつのは下りのエスカレーター

に乗っていると例えられるのです。
キホン的に株は売らない

こうなると、個人の金融資産は、できるだけオーナー権利でもっておく必要性に気づくでしょう。

株を売って円に交換した瞬間から、もうそのまま増えないのなら、
- 株価上昇時
- 株価下落時

どちらでも売ることなく、その時々に安くなっている株式を買いつづけたいです。
株価上昇時

もし持っている株式の一部で価格が上がりすぎたら、上昇していない別のオーナー権利を、今月の日本円収入から購入しましょう。

売ることなくしぜんなリバランスで、安定的にもっと増やしていけます。
株価下落時

株式の価格が下がったときもおなじです。

予定している比率まで戻すように、下がっている株を給料の日本円でひたすら購入します。

長期運用を意識するほど、売ることなくしぜんなリバランスで、安定的に増やしていけるのです。
株を売っていいとき

以上から、株を売っていい場合はほとんどなく、
- どうしても欲しい株があるのに、手元の日本円が足りない
- 自分 や 家族にとって必要な支払いがあるのに、手元の日本円が足りない

ときだけです。

株価の上下動など周囲からの影響ではなく、自分を主体にしてホントに欲しいモノがあるのなら、

たしかにそのときは、手数料を払ってでもさっさと株を売ってしまいましょう。
まとめると

- 相対的に金融資産をながめ
- 株価が上がっても下がっても
- 株式を売ることなく
- 比率を守りながら
- いろんな企業のオーナー権利を購入しつづけ
上りのエスカレーターに乗って、複利で増やしていくといいようです。
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“このままどうなっていくんだろう?”と感じたら、投資をはじめよう
【元ギャンブル依存ドクターの経歴】
ギャンブル依存は投資にむいている

ギャンブル依存のひとは、ずっとギャンブルしてきました。

パチンコ中に積んでいる玉を、
- おかねのようにも
- 増やすための道具とも

バランスよく感じながら戦いつづけ、パチンコ途中で換金して円に戻すことはなかったです。

“奪い合い” で “だれの役にも立たない” ギャンブルをつづけたために、
いつもおかねに困るようになりました。

これからは、主戦場を “ひとによろこんでもらう” 株式投資に換えるだけでいいんです。

毎月の日本円給料を、ひたすら世界中の企業に託していきましょう。

質素に暮らして買いつづけるだけで、スムーズにおかねが増えていきます。

円基準だけで暮らさないイメージがわきやすい、ギャンブル依存でよかった。
これからゆたかになりましょう。